セブ島留学を前に
今僕は、頭で描いた人生の構図を、現実に書き起こす作業に着手しようとしている。
その事始めとして、セブ島への2週間の語学留学に行く。その電車の車中で日記を書いている。
実のところ、踏み出そうとする一歩とは裏腹、不安と恐怖で胸がいっぱいだ。今まで生きてきて、国外で2週間もの期間を過ごすのは初めての経験だからだ。
新しい国に人、新しい寝床に机、そこで自分に挑戦し、弱さを叩き出す戦いをしようとしている。
これまでの28年間、自分が踏み出してきた一歩は、どれほど勇気を要したものだったのだろうか?
振り返れば生まれ故郷の南魚沼市を離れ、大学がある八王子市、そしてここ市川市の地に身を移した。全てが自分にとって故郷となった。
そして今年、カナダのブリティッシュ・コロンビア州を自分の第4の故郷と定めようとしている。否、心は既に故郷と定めている。
今までとは異なる次元の、飛躍の一歩を踏み出すにあたり、自分を突き動かしたのはなんだったのだろうか?
それは、「師匠の存在」が因するところを大きく占めている。
市川市に引っ越してきてからの5年と10ヶ月は、数えきれない同志に縁し、慈愛の叱咤激励を受け、また支えられながら、価値を創造してくることができた。
幸福とは何か?
苦難に直面したとき、どうすれば乗り越えられるのか?
人との関わりの中で、大切なことは何か?
いずれも一言で片付けられるような命題ではない。だが、それらの外郭を触り当てることはできた。
その道標を与えてくれたのが、師匠の存在である。
師匠は僕に、
「偉大な後継よ、どんな苦難が訪れても、自らの生命の中に、尽きることのない無限の希望を見出し続けよ」
と言われた。
また、
「偉大なる広宣流布の理想に燃え、自分が実を摘み取るのではなく、あくまで種を蒔き続ける一生であれ」
と言われた。
僕が生まれる遥か昔から、今に至るまで、師匠が弟子に送り続けてきた言葉である。
先輩方が血で滲む拳を握りしめ、数十年にも及ぶ身を切る戦いにより切り拓いてきた、偉大な陣列が、世界中の国と地域に、堂々と展開されている。
この歴史において、自分はいわば、大河に放たれたばかりの稚魚である。
地道で血が滲む戦いを、生涯自分もやりきろう!
断じて自分に負けてはならない。
どこであっても、どんな自分であっても希望を見出そう!
師匠にお応えし、必ず世界広布のお役に立てる人材に成長しよう!